考えさせられる事

2008年05月19日

こちら、Renoは昨日から突然真夏日になって、正午を過ぎたあたりには 30度を越すほどアツアツ!!
湿度はそれほど感じないのでカラッとした暑さなのですが、さすがに 昨日から エアコンをつけ始めました。
昨日は私用で 相棒とあちこち出回っていたので 今日はゆっくり家にこもって 2,3日前から読み始めていた本、Jon Krakauerの“Into the Wild” (邦題は確か “荒野へ”だったはず)を読み終えました。

この本、去年、息子も読んで、その上 Jさんのこの本に関する記事を読んで益々読んでみたいと思っていたので 図書館にオンライン予約を入れておいたんです。
もう ショーン・ペンによって映画化もされているので、DVDを買ったり、借りたりして見る事も考えたけど、やっぱり先に 本を読んでから。。。って思って今まで待っていました。 
映画を観てしまうと 読んでいて自分の想像じゃなく、映画のイメージで読んでしまうんですよね。

いつもなら 本を読んでいてちょっと記憶に曖昧だったり 始めて見る単語が出てきたりしても たいてい文章の前後で内容が把握できてしまうので わざわざ辞書をひく事ってしない私ですが、この本は なんだか しっかり確認しないといけないような気がして 電子辞書片手に読みました。

考えさせられる事


注: これからこの本を読もうと思っている方で内容を知りたくない方は ネタばれになってしまうのでここでスト~ップ!! 笑

あらすじについては 読書家でもあり、書く才能にも長けているJさんが 引き込まれるようなすばらしい記事を書かれているのでそちらにお任せすることにして。。。

著者が始めてこの話題を新聞の記事にした時、人それぞれ様々な反応があったようですが、私の感想はというと一言で表現すると Mixed Feelings (複雑感情)でしょうか。
この本は実在した人物、裕福で物質的に何の不自由もなく育ち、頭脳明晰な Chris McCandlessが 野望を遂げるべく 大学卒業と共に家族や友人との連絡を絶って アメリカ西海岸を ヒッチハイクで横断、冒険し、彼の野望である、アラスカ山奥で人や現代社会を一切断ち切った、一人きりの自給自足の生活をはじめ、不幸にも餓死してしまうまでを 彼自身が撮った写真や日記、そして 残された家族、冒険中に出会った人々のコメントを通して書かれています。

なぜ複雑な気持ちか。。。というのは まず、残された両親、家族の事を自分の身に置いて考えると。。。
もし娘や息子が突然姿を消し、2年間も音信不通で あげくの果ては 死亡して見つかったというニュースを聞かなければならないとしたら。。。
若気の至りとはいえ、その無謀な行動は なんという親不孝者!! 大ばか者!!と 残された親の気分で 叱りたい気分、焦燥感と悲しみが押し寄せてくるようでした。

その反面 彼の考え、行動が理解できない事もなく、現代社会の常識とされるレールの上を歩く事よりも、自分の試練と能力を信じて 実際に“アイディア”だけに留まらずに 実行してしまう勇敢さと それほどの知識や経験があるわけでもない若者が 山奥に残された廃バスを拠点に 4ヶ月も生き延びたという事実に 感心さえしてしまったのでした。

飽食の時代と言われ 食べ物に限らず、物、インフォメーション溢れるこの時代に 自らアラスカの荒野の地に入り込み 厳しい気候と原始的な環境で “自由”を感じながら 狩や木の実などで食をつなげるも、最後には餓死という 私には想像もつかない最後を迎えてしまった事がなんともショッキングで、この本を読んで “食”に関する考えが変わりました。
“お腹がすいた”とを感じることはあっても 命に拘わるほど、体が思うように動かなくなるほどの空腹を想像するだけで 恐ろしく感じたし、彼の日記がほとんど 今日はどんな動物、植物を収穫したという食べ物に関する事だったという事実を知って “食”が人の体を保つのにどれだけ重要なことなのかを知らされたり、食べ物だけに拘わらず 物を粗末に扱ってはいけないと 当たり前の事を 今の自分の生活を考えると再度反省してしまったり。

彼は山奥の荒野での孤独な生活で 自身の体験と 愛読書などから 幸せというものは人と共有して初めて感じられるものだという事を悟り、もとの生活に戻る事を決めたようですが、それも体力低下と厳しい自然に抵抗できず、自分自身で命が終わるのを感じ、幸せな人生だったというメモを書いて逝ってしまうのは なんとも不運な人生の結末ながらも 短い人生を 自分のやりたかった事をやったという達成感の証なのかもと それが唯一の慰めのような気もします。


同じカテゴリー()の記事

Posted by Ziggy at 11:06│Comments(11)
◆ この記事へのコメント
こんにちは
天気が不安定で 暑い日・寒い体調が(/_;)
辞書をひきながらも本をみる さすがZiggyさん
最近何を買っても説明書を見るだけ(ΘoΘ)σ
本より映画に走ってしまいます。

ストーリー 人により感じ方が違うと思うが
 今何も考えたくない 何も欲しくない
何か行動したいと感じているか 
勇気を貰い 前に進みたいです。

本を見ることのすばらしさ感じています
Ziggyさんを見習って(*^ ^)/。・:*:・°'★,。
Posted by ぴぴ at 2008年05月19日 17:12
うーん、確かに残された家族の気持ちは確かにそうですよねー
叱りたくなりますね~
本を読んでいないのでその時彼がどういう気持ちで
どういう考えでという心の中は分かりませんが
軽い気持ちで望んでいたら4ヶ月も耐えられなかったでしょうね~
そして彼は自分にかけている何かを見つけたかったのかもしれないなぁと
何不自由ない暮らしの中で見つけたなにかがそのきっかけなのでしょうが
何も知らないからこそ無謀なんだろうなぁ。。。なんて思います
危険を知らないというんでしょうかね~
でもまたその本を通して、その失敗が誰かの心に残ることは
とても大事なことだったんだろうなぁと思います
こうしてZiggyさんの心にものこったことですし
この?一言はどうかと思いますが 彼の運命なんだろうなぁと

でもやはり今簡単に自殺する方が増えてますが
こういう本や記事を読むことでもう一度考え直してほしいなぁと

人間がひとり生きるうえででどれだけの動物の命が犠牲になっているか
とかどれだけの苦労を重ねて食べ物ができたのか?
自殺することとはこういう犠牲をムダにするということが
どれだけの人が知っているだろう?と考える事もあります最近は
今はショクイクという言葉を良く耳にしますが
本当の教育とはこういうことではないかなぁと思います

ちびすけにもひぽっがやっていることをみて
何かを感じてもらえたらいいなぁとこれからも頑張ります^_^;
Posted by ひぽっ at 2008年05月19日 18:16
毎度のことながら、Ziggyさんの読書スピードには感心させられます。
私なんてきっと図書館の貸し出し期限内では一冊も読み終えられないんじゃないかな。最近は睡魔に抗えず、就寝前読書がちっとも進みません。(笑)

自分で書いておきながら、ブログ記事を読み返してみて恥ずかしくなりました。(^^;)

私もこの本を読んだ後に「食」に対する意識が変わりました。
そして、つい最近になってからも、Ziggyさんも既に読まれた「A thousand Splended Suns」や友人の話などから、今までの自分の生活がどれほど恵まれたものであったかを認識するとともに、「飽食の時代」に甘んじていてはいけないのだと強く感じるようになりました。
Posted by JKD at 2008年05月20日 07:19
うーん、興味をそそる内容ですね。
Ziggyさんの記事を最後まで読んでしまったのに、それでも読みたくなります。
親にとっては、”幸せな人生だった”と残したのがせめてもの慰めでしょうか。
それでも複雑ですよね。
人生のレッスンを学ぶのは、他にも方法はあったはずなのに・・・なんて思ってしまいます。
でも彼の残したメッセージが、こうしてたくさんの人に届いてる。
素晴らしい事ですね。
Posted by Sissy at 2008年05月20日 08:04
Ziggyさん。読書家ですね。
私は最近根気が無くって・・・本を買っても積んだままです。:-)
飽食と言われているけれど、食料自給率の低い日本。
もしかしたら将来、食べ物に困窮する時代が来るかもしれません。
そのとき、ヤワに育った子供たちは、どうするのかしら・・・
楽天的な考えは通用しない時が来るかもしれません。

「幸せというものは 人と共有して 初めて感じられること。」
心に留めておきたいフレーズですね。(*^_^*)
Posted by mikiko at 2008年05月20日 16:19
私、交流分析って言う勉強会に行ってて、先日同じような事を聞いたの。
人との関わりを育てていく時に一番の力は「喜びを共有していく事だ」って。
      ↑
じっくり読ませてもらったけど、この方は旅立つ時に家族や友人に何か
話したのかな?自分の心境を。
もし、私がそれを聞いてそれが本当にどうしても本人のしたい事なので
あれば、心で死ぬ事も受け入れる覚悟をして送り出すかな?って
思うのよ。
只突然居なくなったんだったら本当に親不孝だし、友達甲斐はないし、
残された人の心を思う事はなかったのかな?って思う。
そして、もう一つ常々思ってるんだけど、誰から見ても幸せな暮らしに
見えても愚痴ばかり言ってる人と、誰から見ても可哀想な境遇なのに
感謝できる人って居るよね。ちょっと「送信」!
Posted by rise at 2008年05月20日 17:59
つづき。
結局幸せな人生かどうかと言う事はそれぞれの心の中に答えはあると
思うの。

この方の場合は願わくば、「幸せは人と共有して初めて感じられる事」だと
悟った時に、もう一回人と共有するチャンスがあれば良かったなぁ~と
思う。道半ばって感じがするね。
まぁ、みんなそうやって探しながら迷いながら、死んでいくんだって思うけど。
Posted by rise at 2008年05月20日 18:04
Ziggyさんに紹介していただいた「A thousand Splended Suns」を読み終わって、ブログに書いたところです。この本もHeavyですね。Jさんのブログに出ている表紙とZiggyさんの写真と、両方を見ているうちに、目の前に白い河が果てしなく広がってきました。

アラスカの奥地に、何故このバスだけが放置されていたのでしょう?まるで呼び込まれる為にそこにあった、という必然性を感じますね。2年暮らしたということはアラスカの冬をそのバスの中で1回経験しているわけで、暖房なしでどのようにして過ごしたのだろうか?などと現実的なことばかりに目が行ってしまいます。

一昔であれば、過酷な状況下に命をなくす事は数多くあったはずですが、そして其れは世界へと発信される事もなかったはずですが、月にロケットが行く今でも獣道だけを受け入れる自然がこの地球にはまだまだあるのだ、と畏敬の念に駆られています。
Posted by カイシャ at 2008年05月20日 21:33
***ぴぴさん:

こちらもね、ここ2,3日正午を過ぎると30度近くまで気温が上がっていたのに 今日は 12度くらいです。。。涼しいから文句は言えないんですけどね。笑
でも確かに 天候が不安定だと体調を崩しやすいので気をつけないといけませんよね~。
この本はなぜか軽く読んではいけないような気がして 曖昧な単語はしっかりひくようにしました。
実は私も DVD 見ちゃおうかな~なんて思ったけど、やっぱり本を先に読んでよかったです。 変な先入観がはいっちゃいますからね。
気候が不安定でも ぴぴさん、お体に気をつけて~!!


***ひぽっさん:

ひぽっさんは おやまで お野菜を育てたり、いろんな体験を経て 考えるだけでなく、身を持って ありがたさを感じてるんでしょうね~。
ちびかば君だって おかあさんについて一緒に お山に行ってお仕事したり、おじ様達やお母さんのお仕事している姿を見て 学校では教えてもらえない、とても大切な事を学習していると思いますよ。
この本を読んで、主人公はあまりにも悲しい結末で人生を終えてしまったけど、私を含め、世界中のたくさんの人に 自然の美しさ、そして怖さ、衣食住のありがたさを感じさせてしまったと確信しています。


***JKDさん:

そうそう、枕元で本を読むと ついついウトウトと眠りについちゃうんですよね~。 この本は時々 “これって何の関係があるんだろう。。。”なんて思いながら読む部分もいくつかあったものの、単語の使い方の勉強にもなったし、なによりも 彼や彼の家族に対する気持ちがぐらぐらと左右して いつもよりも感情輸入して読む事が出来たと思います。
でも 彼がもし無事にWildから戻る事ができていたらこれほど 感心を持って読めたかどうかという点では、あんなショッキングな結末になったからこそ。。。みたいなのもあるような気がします。
Jさんの文章はとても読みやすくて、紹介されている本も是非読んでみたいと思わせてしまう感じですよ。 
さすが たくさん本を読んでいる人は違うなぁとつくづく感心してしまいます。


***Sissyさん:

彼の行動には いろんな意見が寄せられたようですが、結果が結果だっただけに 本当に、残念だと思います。
彼の若さが 両親の行いを許せなかった、反抗したかったという部分もあったようですが、こういうのだって 時と共にそして これからの自身を体験を通して許せるようになったかもしれないのにね。
でも確かに彼の残した言葉を通して 世界でたくさんの人に“大切な事”を考えさせてくれたと思います。


***Mikikoさん:

ほんと、衣食住が整っている事のありがたさ、まわりに愛する人がいるありがたさをひしひしを感じることができた本に出会いました。 
私達のぬるま湯の生活だと、今突然 物が無くなった時自分がどうやって生き延びていけるかを考えると あまりにも無知な私、ぞっとします。
ちょっぴり サバイバルの知識も植えつけておこうかと考える今日この頃。


***Riseさん:

彼はご両親のまちがえを とても怒っていたようです。憎んでいたようでもあります。
愛情を持って育てられても、“若さ”で曲げられない部分が大きかったようです。 だから 相談もなにもせずに 突然 自分の預金ほとんど(250万円あまり。。。かな?)を寄付して、放浪の旅に出てしまったんです。 その2年間のご両親の心配を考えると 同じ親として胸がキリキリと痛むような想いでした。
でも、彼の日記や愛読書に書き込んだ言葉を読むと 彼の考えが理解できないわけでもありませんでした。
彼は決して 死ぬつもりで 荒野に入っていったわけではなく、自然の美しさを満喫し、自分の“生きる力”を試し、政府の決まりごとに捉わない生活をしたいと思ったんですよね。 
ほんと、彼が 孤独を感じ、社会にもどる準備が出来たとき、無事に戻れればよかったんですけど、 これも自然の怖さですよね。 続きます。


***Riseさん:

私も 相田みつをさんの“しあわせは じぶんのこころがきめる”っていう言葉を教訓にしているので、 Riseさんのおっしゃること、同感です。
どんな不況にあっても 本人が幸せだと思えば幸せだし、はたからみてどんなになんの不自由もなく幸せそうでも 本人が幸せだと思わない限りしあわせじゃないんだし。。。
彼は最後に いろんな事を後悔しながらも、幸せだったと感じることができたならきっと幸せな人生だったんでしょうね。


***カイシャさん:

A thousand....The kite runnerもこの本も確かに Heavyな内容ですよね。
でも いろいろ考えさせられるという面では 読み応えがあったような気がします。
彼は2年間アメリカで放浪の旅を続け、彼の夢だったアラスカの山奥で生活は最後の4ヶ月ほどだったはずです。1992年の四月末に雪の中を入って行って、同年9月始めに 発見されるも、その時にはもう遅すぎたようです。
アラスカのハンター達からは 自然を馬鹿にしているなどという意見もあったようですが、本当に、自然は美しいながらも その中で生きるのは生易しいものではないんだという教訓を得たような気がします。
Posted by Ziggy at 2008年05月22日 06:47
早速この本があるか検索したのですが、あるけれどもいつ貸し出しに戻るか未定だそうです。一応名前は置いてきたのですが、当てにしないように言われてしまいました。
そうですか、4月から9月であれば夏の間ですね。北の国の一番美しい時期を過ごして逝ったのですね。ハンターのほうが自分のエゴのために自然を冒涜しているのでは?
Canadian Tire(クッキンググッズからタイヤチェンジまで)というメガストアでは猟銃も売っています。
秋になると迷彩服を着込んだハンターがアメリカからも押し寄せてきます。
もちろん、カナダ人の中には、いまだに父親が息子に銃の撃ち方を教えることを美徳としている人間がいる事に複雑な気分になります。
Posted by カイシャ at 2008年05月22日 11:08
***カイシャさん:

私もこの本は2ヶ月くらい待ったかも。。。笑
DVDの方も予約してあったんですが、私がこの本を読んでいたのを覚えていて DVDを買ってきてくれたんです。
こちらでも 大きな、大きなHobby Shopでキャンピング、狩、フィッシンググッズなどいろいろ売っているお店があるんですが、その壁に飾られているAnimal Head。。。きっとハンターにはトロフィーになるはずなんですが、私もとても複雑な気分になります。
狩って“食べるために必要な分”ならどうにか理解できるけど、ゲーム感覚だとね。
ただ、狩や野外で生活するために必要な知識って“もしも”の時に 必要な気もしました。
Posted by Ziggy at 2008年05月23日 23:46
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。